2011年東日本大震災の被災地にて(3)-地盤沈下-

 2012年11月14日、2011年東日本大震災の被災地を訪れた。そこで地盤沈下の現場を見た。
 
地盤沈下
 宮城県東部の被災地を移動中、多くの地盤沈下箇所に遭遇した。写真は、道路が海水で冠水している様子である。
 
 
地震によって地盤沈下が発生し、満潮時には海水で道路は冠水する。2012年11月14日撮影。
 
 東北地方太平洋側のいたるところで、地盤沈下が起こっている。陸前高田市の0.84mや牡鹿半島の1.2mを最大変動量として岩手県、宮城県や福島県の太平洋沿岸で観測されている。国土地理院の調査では、気仙沼市では0.7メートル以上、南三陸町では0.6メートル以上である。
 地震によって地殻変動が起き、震源域周辺は隆起し、その西側では沈降した。過去の地震ではこのような地殻変動は海底下だけに限られており、陸域では地盤沈下が観測された例はない。今回の地震による地殻変動はあまりに巨大であり、地盤沈下が陸域にも達したということである。
 地盤沈下の変動量、範囲については現在も調査が進められている。しかし相当広い範囲にわたって起こっていることは間違いない。今後、地盤沈下によって失われた土地を取り戻すにはどうするのか、非常に難しい課題である。

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