人間社会とエネルギー・食料
人間の絆、関係、部落、集団など、人は一人では生きていけない以上、その人間関係論が興味ある研究課題となります。
何を軸、集団結成の連結因子とみるかは、とても面白いテーマですが、私は人の「集団化の力学」を、まず歴史から考察することにしています。
それから分かること。集団化の重要因子は、ローマ帝国はそのEROI、つまりEPRにあった。その低下から崩壊過程に入ったとされてます。
これから、文明の形にエネルギーの質が大きく影響、ローマ時代は人と牛の食料のEROI EPRで文明の盛衰が説明できるのです。
森の喪失から文明崩壊に至ったイースター島、マヤ文明などは、森というエネルギーの喪失と土壌破壊が崩壊のきっかけであった。このように文明の盛衰の歴史は「エネルギー・食料」が決め手の因子と教えます。
そして日本です。石油ピークと今後の原発依存の趨勢から何が言えるか、そしてどのような分散型社会が想定されるかです。言い換えると、エネルギーと食料の互いに関連する2因子が、楕円の2軸のように全体像、構造を決めそうです。
今後サロンなどで、楽しいお話をしてみたいものです。
About The Author
石井吉徳
もったいない学会名誉会長。東京大学名誉教授。元国立環境研究所所長。
東京大学理学部物理学科(地球物理学)卒。
帝国石油、石油資源開発を経て、1971年より東大工学部資源開発工学科助教授、1978年より同大学教授。1993年、東京大学を退官し名誉教授。 1994年から1998年、国立環境研究所副所長、所長。1998年から2006年、富山国際学園にて特命参事と大学教授。2006年、もったいない学会創設、会長。
主著に、『知らなきゃヤバイ 石油ピークで食糧危機が訪れる』(日刊工業新聞社)、『石油ピークが来た:崩壊を回避する「日本のプランB」』(日刊工業新聞社)、『石油最終争奪戦:世界を震撼させる「ピークオイル」の真実』(日刊工業新聞社)など多数。