「世界一やさしいエネルギーの授業」が訴える「エコ(地球温暖化対策としてのCO2排出削減) 」の国際公約を守るための原発の再稼働が本当に必要でしょうか?(その2)  アベノミクスのさらなる成長が求める原発の再稼働を止めることが、化石燃料の枯渇後に日本が生き残る道です

東京工業大学名誉教授 久保田 宏
日本技術士会中部本部・事務局長 平田 賢太郎

(要約)

①  「世界一やさしいエネルギーの授業(以下、「この授業」)」が訴える「エコ(地球温暖化対策としてのCO2排出削減) 」の国際公約を守るための原発の再稼働が本当に必要でしょうか?(その1)正しいエネルギー政策の認識に立てば、私どもは不必要と考えます”に続く本稿(その2)で、私どもは、アベノミクスのさらなる成長が求める原発の再稼働を止めることが、化石燃料の枯渇後の世界に日本が生き残る道だと訴えます

② 「この授業」のLesson 3 上級者編の「テーマ1」では太陽光発電が原発電力の代替になる、「テーマ 2 」では電力の自由化で電気料金が下がらないことが、「テーマ 3 」では世界の原発電力が減少傾向にあるとする報道、これら、いずれも、エネルギー政策の知識の欠如がもたらす「誤解(誤り)」だとしています。これらの「過ち」の指摘は、妥当と考えますが、それが原発の再稼働を政治に許すことにはならないと私どもは考えます

③ 「この授業」のLesson 3の「テーマ4」では、電力会社は、やがて枯渇する化石燃料の代替のエネルギー源は、原子力ですか?との質問を設け、その答えとして、当面は、原発の再稼働による原発電力を一定比率で含む輸入化石燃料代替の国産エネルギー(再エネ)だとして、さらに、2050年以降のCO2の80 % 削減の国際的な要請に応えるのは、再エネ電力から造られる「水素」だとしています。これに対して、私どもは、化石燃料枯渇後のエネルギーは、エネルギーの総合利用効率を考えた場合、経済成長の抑制を前提とした再エネ電力の直接利用でなければならず、再エネ電力から造られる「水素」ではないと考えます

④ 「この授業」のLesson 3 の「テーマ5 」で、要求されている「放射線・放射性物質に対する正しい理解を」の主張は、いま、政府が求めている原発の再稼働を正当化するための「はじめに原発ありき」の要求にもなっています。しかし、原発の稼働によってもたらされる「人工放射能は、人類の生存をおびやかすとの正しい認識」こそが求められるべきですから、この人工放射性物質を排出しない「脱原発」が求められるべきだと私どもは考え、主張します

⑤ おわりに;いま、国際的な合意になっている「エコ(=CO2の排出削減)」に貢献するとした原発の利用によるさらなる経済成長を図ろうとするアベノミクスが、この国のエネルギー政策を混迷に陥れています。アベノミクスのさらなる成長が要求する原発の再稼働を停止し、経済成長の抑制を前提とした再エネ利用社会へ移行するための、私どもの主張する「化石燃料消費の節減」こそが、資源小国日本の化石燃料の枯渇後に生き残る唯一の道でなければなりません

 

(解説本文)

①  「世界一やさしいエネルギーの授業(以下、「この授業」)」が訴える「エコ(地球温暖化対策としてのCO2排出削減) 」の国際公約を守るための原発の再稼働が本当に必要でしょうか?(その1)正しいエネルギー政策の認識に立てば、私どもは不必要と考えます”に続く本稿(その2)で、私どもは、アベノミクスのさらなる成長が求める原発の再稼働を止めることが、化石燃料の枯渇後の世界に日本が生き残る道だと訴えます

 

② 「この授業」のLesson 3 上級者編の「テーマ1」では太陽光発電が原発電力の代替になる、「テーマ 2 」では電力の自由化で電気料金が下がらないことが、「テーマ 3 」では世界の原発電力が減少傾向にあるとする報道、これら、いずれも、エネルギー政策の知識の欠如がもたらす「誤解(誤り)」だとしています。これらの「過ち」の指摘は、妥当と考えますが、それが原発の再稼働を政治に許すことにはならないと私どもは考えます

「この授業」のLesson 3 の「テーマ1 」では、日本の脱原発を訴える人々による「エネルギー政策の知識の欠如」がもたらす「誤解(過ち?)」が指摘されています。具体的には、小泉純一郎元首相による「太陽光発電は原発27基分」だとの発言をとりあげ、この「間違い」の原因は、太陽光などの自然エネルギーの発電量がその発電能力(発電設備容量kW)で評価されているからだとしています。「この授業」の主張を捕捉して、科学的に説明すると、この(発電設備容量kW)の値に(設備の年間平均稼働率)と、年間時間(365日×24時間 = 8,760h)を乗じた値が、発電量kWhになります。この発電設備の(年間平均設備稼働率)の値が、原発の80 % 程度に対し、太陽光発電では 10 % 程度にしかなりませんから、同じ(発電量kWh)を生産するために、太陽光発電は、原発の約8倍の(設備容量kW)が必要になります。さらに、太陽光発電では、単位(設備容量kW)当たりに必要な土地面積が非常に大きくなるために、国土面積の小さい日本では、この太陽光発電の導入可能量には大きな量的な制約があります。環境省による日本における「再エネ導入可能量(ポテンシャル)の調査報告書」のデータから私どもが推算した「太陽光発電の導入可能発電量kWh」の値は、3.11以前の2010年度の原発発電量の1/2にしかなりません。
この再エネ電力の設備容量と発電量のとの混同と、再エネ電力の単位土地面積当たりの発電量による制約の無視が、小泉元首相をはじめ脱原発を訴える人々の多くが陥っている「原発電力が太陽光を主体とする自然エネルギー(国産の再エネ)電力で賄える」とする、「誤解」というより明白な科学的な「誤り」に繋がっているとしています。これは、まさに、その通りで、私どもも、以前から、この「誤り」を指摘してきました。しかし、この脱原発を唱える人の「誤り」が、「原発の再稼働が必要」の理由にはなることはありません。と言うのは、このような「誤り」は、いま、日本で、その利用が進められている太陽光発電についてであり、世界で主流になっている風力発電の利用であれば、その導入可能量は現在の国内総発電量の約4.5倍もあると想定されているので、化石燃料枯渇後のその代替としての再エネの主体は、風力発電になると考えられます。したがって、本稿(その1 )で私どもが主張したように、事故リスクがあり、核燃料廃棄物の処理・処分費を次世代送りしなければならない原発電力使わなければならない理由はありません。
次に、「この授業」のLesson 3 の「テーマ2 」としてとり上げているのが、電力の小売り(販売)の自由化の問題です。戦後日本の高度成長を支えていた電力の安定供給のための一般電気事業者(電力会社)による地域独占体制のもとで「規制」されていた電気料金が、2016年度に始まった電力の自由化で、値下がりしなかった理由を、タクシー料金を例にあげて説明しています。すなわち、新しく参入した電力小売り事業者が顧客を増やそうとして電気料金を値下げしても、顧客が増えなければ、収益が増えなくなるから、事業が成り立たなくなるとしています。しかし、この今回の電力自由化で、消費者にとっての電気料金が下がらない理由は、新規事業参入者の大部分が、実際に電力を生産していないか、あるいは、生産しているとしても新しく契約した消費者に供給しなければならない電力のほんの一部しか生産できない事業者が多かったためです。これらの事業者は、契約消費者に必要な電力を供給するための電力を、旧電力会社から買取らなければなりませんから、その販売電力料金は、この旧電力会社からの電力の買取料金に支配されてしまいます。また、この電力の小売りの自由化を機に、脱原発を希望する消費者が、原発を所有しない新規事業参入者との契約数を増やすことで、旧電力会社の脱原発を促そうとの一部の市民による運動もありましたが、その成果は得られていません。すなわち、この「電力小売りの自由化」も、「原発の再稼働」の必要を促すものではありません。
「この授業」のLesson 3 の「テーマ 3 」として、福島原発事故に関連した、最近の世界の原子力発電の減少傾向を伝える報道を「誤解(誤り)」としています。その例として、ドイツの原発ゼロは2022年を目標にしており、2016年の時点で15 % の電力を原発に依存しているとしたうえで、世界の原発電力の需要は、経済成長を続けなければならない中国やインドなどの新興途上国を中心に今後も増え続けるだろうとしています。しかし、これらの途上国の原発電力の増加が、日本の原発を再稼働させなければならない理由にはなることはありません。原発電力は、世界の電力(発電量)のなかでの原発電力の占める比率は10.6 %、化石燃料資源量換算の一次エネルギ―合計に対する一次エネルギー(原子力)の比率は僅か4.38 %にしかなりません(エネ研データ(文献1 )に記載のIEA(国際エネルギー機関)のデータから、2014年の値)。さらに言えば、実は、現在の原発電力の利用は、世界の原爆保有国が造り過ぎた原爆の原料用ウラニウムを利用していると考えるべきなのです。
いずれにしろ、このLesson 3の「テーマ2 」~「テーマ3 」は、「原発再稼働」の必要性を促すものではありません。以上、詳細については私どもの近刊(文献2 )をご参照下さい。

 

③  「この授業」のLesson 3の「テーマ4」では、電力会社は、やがて枯渇する化石燃料の代替のエネルギー源は、原子力ですか?との質問を設け、その答えとして、当面は、原発の再稼働による原発電力を一定比率で含む輸入化石燃料代替の国産エネルギー(再エネ)だとして、さらに、2050年以降のCO2の80 % 削減の国際的な要請に応えるのは、再エネ電力から造られる「水素」だとしています。これに対して、私どもは、化石燃料枯渇後のエネルギーは、エネルギーの総合利用効率を考えた場合、経済成長の抑制を前提とした再エネ電力の直接利用でなければならず、再エネ電力から造られる「水素」ではないと考えます

「この授業」のLesson 3 の「テーマ 4 」では、まず、「日本の電力会社って原子力依存って本当?」との質問を設けたうえで、電力会社の発電用のエネルギー源の選択についての将来の見通しが述べられています。この答えは、「この授業」のスポンサーになっている関西電力をはじめ、旧電力会社の原発に対する考え方を代弁していると見てよいでしょう。すなわち、電力会社としては、福島事故の後、「安全性」の視点から、原発を根本的に見直し、安全性を確保できた原発から、順次、再稼働することで、国民への安定な電力を供給する使命を全うするとともに、世界が決めた「エコ」としての2030年までのCO2の26 % 削減の国際公約を達成したいとしています。
「それでは、原子力がどんどん増えるのでは?」との再質問を設定したうえで、「0 %」のものを「20 %」に引きもどすので、この流れを2030年以降も、さらに引き上げようとするものでないとしています。また、「安全面」から、最大限「再エネ」を増やしたいのだけど、「コスト」と「安定供給」の面から、その増加には大きな制約があることを強調しています。さらには、「では、2030年以降のエネルギーはどうなるの?」との質問に答える形で、実は、日本を含めた先進国G 8が合意している「2050年のCO2の80 % 削減」を持ち出して、原子力を増やさないで、CO2の排出削減に必要な安定供給に問題のある風力発電などの自然エネルギーの利用を増やすために必要だとして、最近、政府が、エネルギー基本計画のなかに入り込ませた「水素」を持ち出しています。
この「水素」とは、2015年以降、日本で、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)、トヨタのMIRAIの市販を機に、水素元年と騒がれた「水素エネルギー」です。化石燃料の枯渇後のエネルギー源としての再エネ電力を使って、無限と考えられる資源量をもつ水(H2O)を電解してつくられる水素(H2)を使用とするものです。
しかし、この「水素」はエネルギー源ではありません。化石燃料枯渇後に、この水素をつくるエネルギー源は「再エネ電力」か「原子力」になるはずです。「原子力」を増やさないならば、経済成長の抑制を前提とした上で、「再エネ電力」を直接使った蓄電池付きの電気自動車(EV)を用いる方が、「再エネ電力」からつくられた水素を燃料とするFCVを用いるより、総合的なエネルギー効率が良いし、経済的(『エコノミー』)にもなるのに決まっています。
また、この「水素」を出力変動の大きい再エネ電力の蓄電用に用いるとの考えもあるようですが、それは、エネルギー源の主体が再エネ電力になった時に、この再エネ電力の貯留設備としての在来の蓄電池を用いた場合とのエネルギー効率の比較で、その利用の是非を考えればよいのです。したがって、いま、日本のメデイアが騒ぎ立てる「水素エネルギー」は、かつての「エコ」のために多額の国費を浪費して進められた国策「バイオマスニッポン総合戦略」における自動車用燃料の「バイオオ燃料」と同様、幻想に終わる(私どもの「幻想のバイオ燃料(文献3 )」をご参照下さい)、いや終わらせなければならないとするのが、私どもの主張、考え方(文献 2 参照)です。

 

④ 「この授業」のLesson 3 の「テーマ5 」で、要求されている「放射線・放射性物資に対する正しい理解を」の主張は、いま、政府が求めている原発の再稼働を正当化するための「はじめに原発ありき」の要求にもなっています。しかし、原発の稼働によってもたらされる「人工放射能は、人類の生存をおびやかすとの正しい認識」こそが求められるべきですから、この人工放射性物資を排出しない「脱原発」が求められるべきだと私どもは考え、主張します

「この授業」の最後、Lesson 3の「テーマ5 」では、「人はご飯を食べるごとに被曝しているって本当?」との質問を設定して 福島から避難している人に対して、「放射能が移る」とされた「震災いじめ」の問題をとりあげています。この「震災いじめ」と言うのは知識の無い人がやっている行為で、これは、「教育問題」でもあるとしたうえで、「放射線」や「放射性物質」というのを、ほとんどの人があまり知らないで「誤解している」ことが背景にあるとしています。さらに、そもそも、原発事故があろうとなかろうと放射線を出す物質は日本中に溢れていて、それこそ、私たちが、毎日、接しているものなのだとしています。すなわち、病院でのレントゲン検査でも、毎日食べる食事の時も私たちは、放射線に被曝しているけど、問題はその被ばく線量なのだとして、福島の事故後、福島でつくられた食品は厳しい「全体検査」を経て出荷されているから、心配がないと強調しています。
最後に、この放射線に関連した「震災いじめ」について、そもそも「放射線」や「放射性物質」について、「みんながわかっていないからおこるのだよね?」との質問を設け、「まさに、そういうことが根本にあるんだ。なぜなら、大人が「放射性物質」について理解せず、雰囲気だけで判断したり、話したりするものだから、何時まで経っても教育は機能しないし、教師や親が教えられないと、風評的ないじめはなくならないんだよね。」として、「震災いじめ」を問題にするなら、その根本をもっと深く理解しなければいけないし、「放射性物質」は、何処にでもあって、みんなが震災前から食べたり浴びたりしていたんだと、きちんと子供にも理解できるように解説することこそが必要なのだとしています。
この見解は、福島の事故により発生したいわゆる風評被害の非科学性を指摘している点では正しいと私どもも考えます。しかし、この見解が、国あるいは事故の責任者である電力会社から、「原発事故は怖くないから、その再稼働を認めてもらう」ために使われるとしたら話は違ってくるのではないでしょうか? 何故なら、「原発を再稼働させなければ、このような原発事故による人工放射線被ばくの心配をする必要は無くなる」からです。この再稼働をするかしないかの決定権は、国と電力会社が持っているのです。このエネルギー授業の「はじめに」で、「この授業」の講師は、この原発問題に対して中立的な立場をとるとおっしゃっていますが、電力会社がスポンサーなっているこのエネルギー授業で、このような原発の再稼働を支持することになると見られかねない見解を示されることには、「大きな矛盾」があると言わざるを得ません。

 

⑤ おわりに;いま、国際的な合意になっている「エコ(=CO2の排出削減)」に貢献するとした原発の利用によるさらなる経済成長を図ろうとするアベノミクスが、この国のエネルギー政策を混迷に陥れています。アベノミクスのさらなる成長が要求する原発の再稼働を停止し、経済成長の抑制を前提とした再エネ利用社会へ移行するための、私どもの主張する「化石燃料消費の節減」こそが、資源小国日本の化石燃料の枯渇後に生き残る唯一の道でなければなりません

いま、多くの人々が、人類の生存にとっての脅威は、地球の温暖化だとして疑いません。そして、この温暖化を防ぐためには、その原因となっている「CO2の排出を削減」=「エコ」だとしています。この「エコ」に有効な方法とされているのが、現在の文明社会を支えている化石燃料の代替となる「再エネ」と「原子力エネルギー」の利用の拡大です。しかし、今すぐの「再エネ」の利用には、お金がかかるから、すでに、実用化されているが、3.11以降、稼動を停止していた「原発の再稼働」が、どうしても必要だと訴えるのが安倍政権と、これを支持する人々と、さらに、「この授業」です。
これに対して、「3.11福島」にみられるような、重大な「過酷事故のリスク」が大きい上に、「使用済み核燃料廃棄物の処理・処分の方法」が確立していない原発は再稼働すべきでないと訴える人が多数います。小泉元首相をも含む、これらの、いわゆる脱原発派の人々は、原発電力の代替として、「エコ」のための今すぐの「再エネの利用」を訴えています。
すなわち、これら「脱原発のための再エネの利用を訴える人」も、いや、「再エネの利用にはお金がかかるからとして原発の再稼働を訴える人」も、ともに、地球にとっても、人類にとっても、どうしても必要だとしているのが、いま、国際的な合意を得て進められている「エコ(=CO2の排出削減)」で、そのための「パリ協定」の実行です。
しかし、本来、この地球温化対策としての「エコ」は、エネルギー政策とは無関係なのです。例えば、いま、この「エコ」の推進のためとして、IPCC(気候変動に関する政府間パネル、国連の下部機構)が推奨しているCCS(化石燃料の燃焼排ガスからCO2を抽出、分離して埋め立てる)の方法は、化石燃料消費の増加を前提とした「エコ」対策です。これに対し、化石燃料の枯渇が迫るなか、「正しいエネルギー政策」として求められるのは、「その(化石燃料)消費の節減」でなければなりません。本稿(その1 )の ② でも述べたように、化石燃料の枯渇が迫るなかで、その消費を節減すれば、IPCCが主張するような「地球温暖化の脅威」は起こりません。
なお、この「化石燃料消費の節減を実行可能とする方策」として私どもは、いま、地球温暖化対策として国際的な合意を得て進められている「パリ協定」の「各国のCO2の排出削減目標を、化石燃料消費の節減目標に変えること」を提言しています。
したがって、いま、このエネルギー政策を支配している「エコ」を排除して考えると、化石燃料枯渇後の、その代替となるのは、「アベノミクスのさらなる成長」のための要請がなければ必要のない「原発の再稼働」は許されません。すなわち、将来、化石燃料より「コスト」が低いことを条件として利用すれればよい「再エネ」を、その種類を選んでの利用とすべきです。その再エネの主体は、その導入可能量から考えて「風力発電」となるでしょう。
なお、化石燃料資源が枯渇して、その国際市場価格が高騰し、生活や産業で必要とするエネルギーの主体を、全ての国が自然エネルギー(国産の再エネ)に依存しなければならなくなる社会は、それぞれの国の経済成長のためのエネルギーを奪い合うことの無い、国際平和をもたらす社会であることが期待されます。
これが、私どもが主張する「正しいエネルギー政策」が求める未来です。これが、いま、化石燃料資源のほぼ全量を輸入している「資源小国日本」が、地球上の全ての国との平和共存のなかで、化石燃料の枯渇後の地球上で、生き残る唯一の道だと信じます。以上、詳細については、私どもの近刊(文献2 )をご参照下さい。

 

<引用文献>

1.日本エネルギー経済研究所計量ユニット編;EDMCエネルギー・経済統計要覧、2017、省エネセンター、2017年
2.久保田 宏、平田賢太郎、松田智;「改訂・増補版」化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉――科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する――、Amazon 電子出版、Kindle、1917年
3.久保田 宏, 松田 智;幻想のバイオ燃料――科学技術的見地から地球環境保全対策を斬る、日刊工業新聞社、2009年

 

ABOUT THE AUTHER
久保田 宏;東京工業大学名誉教授、1928 年、北海道生まれ、北海道大学工学部応用化学科卒、東京工業大学資源科学研究所教授、資源循環研究施設長を経て、1988年退職、名誉教授。専門は化学工学、化学環境工学。日本水環境学会会長を経て名誉会員。JICA専門家などとして海外技術協力事業に従事、上海同洒大学、哈爾濱工業大学顧問教授他、日中科学技術交流による中国友誼奨章授与。著書(一般技術書)に、「ルブランの末裔」、「選択のエネルギー」、「幻想のバイオ燃料」、「幻想のバイオマスエネルギー」、「脱化石燃料社会」、「原発に依存しないエネルギー政策を創る」、「林業の創生と震災からの復興」他

平田 賢太郎;日本技術士会 中部本部 副本部長、1949年生まれ、群馬県出身。1973年、東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻修士課程修了。三菱油化(現在、三菱化学)株式会社入社、化学反応装置・蒸留塔はじめ単位操作の解析、省資源・省エネルギー解析、プロセス災害防止対応に従事し2011年退職。2003年 技術士(化学部門-化学装置及び設備)登録。

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