「新型コロナウイルス問題」の完全解決のためには、コロナウイルスに感染したことを自己責任として、自宅療養を、その感染者に押し付ける政府の責任が厳しく問われなければなりません

東京工業大学名誉教授  久保田 宏
日本技術士会中部本部 本部長 平田 賢太郎

(要約);

⓵ 「新型コロナウイルス問題」での完全解決を難しくしているのは、医学的には予測できたはずの感染率の高い変異株の出現のせいにして、コロナウイルスへの感染の有無を調べるPCR検査の徹底を実施しようとしなかった政府の責任が厳しく問われなければなりません

⓶ 政府は、「新型コロナウイルス」への感染を、感染者による自己責任だとして、感染者に自宅療養を行わせて、政府の責任を回避することで、この問題の完全解決を難しくしています

⓷ アベノミクスのさらなる経済路線を推進して、この国を亡国に導こうとしていた安倍晋三政権の後を継いだ菅義偉政権は、国のためでなく、自分たちの政治権力を維持するために、何としても一年遅れの東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリパラ)を開催するすることを最優先課題として、「コロナウイルス問題」の完全解決を遅延させています。私どもは、この東京オリパラ実施後のオリパラ施設等の「コロナ問題」の完全解決のための最大限活用を強く要望させて頂きます

             

(解説本文):

⓵ 「新型コロナウイルス問題」での完全解決を難しくしているのは、医学的には予測できたはずの感染率の高い変異株の出現のせいにして、コロナウイルスへの感染の有無を調べるPCR検査の徹底を実施しようとしなかった政府の責任が厳しく問われなければなりません

「新型コロナウイルス問題」が世に出てから、このウイルスへの感染を調べるための検査手法としてのPCR検査が、欧米に較べ、国民の数に対して圧倒的に少ない比率での実施で、感染者数の見かけ上の削減に成功した日本は、一時、「コロナ問題」解決の優等生と言われました。しかし、その日本で、PCR検査を行わなかった感染者を感染源とする第2波、第3波の感染者数の増加が始まり、さらに、いま、インドなどで発生した変異株の出現により感染者数の増加が止まらない第4波に苦しめられています。

この第4波の感染者の増加を止めて、「コロナ問題」を完全に解決するためには、政府が責任をもって、PCR検査等を徹底して実施し、感染者を非感染者から分離する必要があり、専門家の先生方も、この「新型コロナウイルス問題」発生の当初から、この方法の採用を政府に進言してきました。しかし、このPCR検査の精度が7割程度に止まり、さらに。その全国一斉の実施には、大きな手間と費用がかかり、非現実的だとして、政府はその実施の責任を回避してきました。この菅政権による責任放棄が、いま、日本において、「新型コロナウイルス問題」の完全解決を困難にしている基本的な理由と言ってよいと私どもは考えます。

すなわち、具体的には、自国での研究開発が遅れているワクチンの使用を欧米に依存する方針を採用することで、この「コロナウイルス問題」の完全解決の時期を遅らせているのです。

 

⓶ 政府は、「新型コロナウイルス」への感染を、感染者による自己責任だとして、感染者に自宅療養を行わせて、政府の責任を回避することで、この問題の完全解決を難しくしています

「新型コロナウイルス」への感染について、それを、「コロナウイルス」が問題になった頃、その感染者が、感染防止のための注意義務としての三密(密集、密接、密閉)の実施を怠ったことによる自己責任を問う動きがありました。上記(⓵)したように、その動きが「コロナウイルスの感染問題」が第4波に入ったいま、感染者の隔離、治療のための医療施設の整備が間に合わない現状で、「コロナウイルスへの感染」が、感染者の自己責任だとして、自宅療養が感染者に押し付けられています。

しかし、私どもに言わせれば、このコロナ問題での感染者の自宅療養は、この「コロナ問題」の完全解決のための政府の責任放棄以外の何ものでもないと考えます。欧米で行われているような野戦病院のような臨時のコロナ対策専門の医療施設の建設や、臨時のコロナ専門の医療従事者の採用などの政府による緊急措置が、万難を排しても実施されるべきでした。この実施を行わないで、下記(⓷)するように、国際公約だからとして、一年遅れになった東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリパラ)の開催を強行するための緊急の方策が実施された見てよいでしょう。

今回の東京オリパラ行事の終了後は、このオリ・パラ施設や医療体制を最大限に活用して、自宅療養に代わる医療体制の整備を、政府の責任で整備することが、「コロナウイルス問題」の完全解決へ唯一の道だと私どもは考えます。

 

⓷ アベノミクスのさらなる経済路線を推進して、この国を亡国に導こうとしていた安倍晋三政権の後を継いだ菅義偉政権は、国のためでなく、自分たちの政治権力を維持するために、何としても一年遅れの東京オリパラ開催するすることを最優先課題として、「コロナウイルス問題」の完全解決を遅延させています。私どもは、この東京オリパラ実施後のオリパラ施設等の「コロナ問題」の完全解決のための最大限活用を強く要望させて頂きます

1PCC(気候変動に関する政府間パネル、国連の下部機構)の主張に盲従して、科学的な根拠のない地球温暖化を防止するためとして、アベノミクスのさらなる成長戦略を推進して、国の経済収支を悪化させて、亡国の危機を招くとともに、一国主義の経済政策で、安全保障の確立のためとして、世界に誇るべき平和憲法を改正して、軍事戦力を増強して、世界平和の侵害に貢献してきたこの国の亡国政策はどこに行きつくのでしょうか?

この安倍晋三政権の亡国政策を引き継いだ菅義偉政権は、安倍政権が世界に約束した東京オリパラの開催の実施を、医療専門家の意見を取り入れて、無観客で実施しました。

東京オリパラの実施は、それ自体は、関連するアスリートにとっては、よかったと私どもは考えますが、上記(⓶)したように、その実行とともに、政府は、オリパラ開催後の施設等を「コロナウイルス問題」の完全解決の政府の責任を果たすために最大限活用して頂くことを私どもは強く要望いたします。

 

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久保田 宏(くぼた ひろし)
1928年生まれ、北海道出身。1950年、北海道大学工学部応用化学科卒業、工学博士、
東京工業大学資源化学研究所 教授、同研究所資源循環研究施設長を経て、1988年退官、
東京工業大学 名誉教授、専門は化学工学、化学環境工学。日本水環境学会 会長を経て名誉会員。JICA専門家などとして、海外技術協力事業に従事。中国同済大学、ハルビン工業大学 顧問教授他、日中科学技術交流により中国友誼奨賞授与。

著書に『解説反応操作設計』『反応工学概論』『選択のエネルギー』『幻想のバイオ燃料』
『幻想のバイオマスエネルギー』『原発に依存しないエネルギー政策を創る』(以上、日刊工業新聞社)、『重合反応工学演習』『廃棄物工学』(培風館)、『ルブランの末裔』(東海大出版会)、『脱化石燃料社会』(化学工業日報社)、『林業の創生と震災からの復興』(日本林業調査会)、『改訂・増補版 化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉—科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する、電子出版 Amazon Kindle版 2017年2月』、『シェール革命は幻想に終わり現代文明社会を支えてきた化石燃料は枯渇の時を迎えます-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、電子出版 Amazon Kindle版 2019年10月』、『温暖化物語が終焉しますいや終わらせなければなりません-化石燃料の枯渇後に、日本が、そして人類が、平和な世界に生き残る道を探ります-電子出版 Amazon Kindle版 2019年11月 』他。

E-mail:biokubota@nifty.com

 

平田 賢太郎(ひらた けんたろう)
1949年生まれ、群馬県出身。東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻修士課程修了。三菱油化株式会社入社、化学反応装置・蒸留塔はじめ単位操作の解析、省資源・省エネルギー解析、プロセス災害防止対応に従事し2011年、三菱化学株式会社退職。2003年 技術士(化学部門-化学装置及び設備)登録。現在、Process Integration Ltd. 日本事務所および平田技術士・労働安全コンサルタント事務所代表。公益社団法人日本技術士会 中部本部 本部長。著書に、『化学工学の進歩36”環境調和型エネルギーシステム3.3 石油化学産業におけるシナリオ”』(槇書店)、『改訂・増補版 化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉—科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する、電子出版 Amazon Kindle版 2017年2月』、『シェール革命は幻想に終わり現代文明社会を支えてきた化石燃料は枯渇の時を迎えます-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、電子出版 Amazon Kindle版 2019年10月』、『温暖化物語が終焉しますいや終わらせなければなりません-化石燃料の枯渇後に、日本が、そして人類が、平和な世界に生き残る道を探ります-電子出版 Amazon Kindle版 2019年11月 』他。

E-mail: kentaro.hirata@processint.com

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