世界平和の象徴としてのオリンピックの東京開催を可能にする方法として、専門家分科会の先生方が推奨する無観客開催の厳しい条件付きでの開催が決められました。これが、IOCによる商業主義で膨れ上がったオリンピックの経営形態の見直しの契機になることを強く願っています

東京工業大学名誉教授  久保田 宏
日本技術士会中部本部 本部長 平田 賢太郎

(要約);

⓵ アベノミクスのさらなる経済成長政策を継承する菅政権は、政治権力の維持のために、「コロナ問題」で、一年遅れが決められた東京オリンピック・パラリンピックの開催を、感染防止対策に解決の目途が立たない現状のなかで、何としても、その開催を実施しようとしています

⓶ 「コロナ問題」の解決のための対策の方法についての諮問を任された専門家の分科会は、このオリンピックの開催について、国民の安心と安全を保障するためには、無観客方式の採用など、厳しい条件が付けられることを政府に要請し、この方式での開催が決まりました

③ 「コロナ問題」の解決のための対策の方法についての諮問を任された専門家の分科会は、このオリンピックの開催について、国民の安心と安全を保障するためには、無観客方式の採用など、厳しい条件が付けられることを政府に要請し、この方式での開催が決まりました

 

(解説本文);

⓵ アベノミクスのさらなる経済成長政策を継承する菅政権は、政治権力の維持のために、「コロナ問題」で、一年遅れが決められた東京オリンピック・パラリンピックの開催を、感染防止対策に解決の目途が立たない現状のなかで、何としても、その開催を実施しようとしています

コロナウイルスの感染の防止に解決の目途が立たず、第4波の感染段階に入ったと言われる厳しい条件のなかで、東京オリンピックを当初の計画通り開催するのは危険であるから中止すべきであるとの国民の要望が高まっています。これに対して、菅政権は、政権維持のためにも、一年遅れの東京オリンピックの開催を当初の予定通りに実施しようと必死になっています。

この現状において、私どもは、世界平和の象徴とされてきたオリンピックは、今回の「コロナ問題」を解決することによって、できれば、何とか継続を実施したいと考えています。いままでも、世界の政治と戦争にふり回され、中止や、一部の国による参加のボイコットが繰り返されてきたオリンピックですが、本来、世界の全ての国のアスリートが、一堂に会して、スポーツ競技での技を競うこのオリンピックは、そこに参加するアスリートにとっての大きな喜びであるだけでなく、世界平和が継続することによって、このオリンピックの実施が可能となるからです。

 

⓶ 「コロナ問題」の解決のための対策の方法についての諮問を任された専門家の分科会は、このオリンピックの開催について、国民の安心と安全を保障するためには、無観客方式の採用など、厳しい条件が付けられることを政府に要請し、この方式での開催が決まりました

「コロナ問題」の解決と、この解決を妨げる恐れのある今回の東京「オリンピックの開催」と、どちらが、人類の生存にとって優先されるべきかは、難しい問題です。

しかし、感染力が大きいインド産の変異株デルタの出現などで、人類の安全で安心な生活が脅かされるようになった現状で、「コロナ問題」の解決の切り札とされているワクチンの接種には、絶対的な信頼がおけない現状で、世界の科学の衆知を集めて「コロナ問題」を根本的に解決するためには、今回の「コロナ問題」の解決が、東京オリンピックの開催に優先されなければならないと考えられるべきです。すなわち、オリンピックどころではないのです。これが、東京オリンピックを中止すべきとの国民の多数の声なのです。

ところが、上記(⓵)したように菅政権は、政権維持のために、何としても東京オリンピックを開催したいのです。そこで、でてきたのが、「コロナ問題」の解決のための諮問を、政府から任されて専門家の分科会による「無観客開催」の提案です。感染の拡大が第4波に入るなかで、どうしてもオリンピックを開催したいなら、感染予防の万全を期すための無観客方式を採用すべきとされたのです。しかし、この無観客方式のオリンピックの開催は、オリンピックに参加する選手にとって、悦ばしいことでありませんし、オリンピックを主催する側にとっても、大きな経済的な利益を失うことになるのです。したがって、「コロナ問題」が解決できない現状で、この無観客方式は、東京オリンピックを開催する方法として、政府が求める安心と安全を確保するための唯一の方法であり、分科会の先生がたにとっても苦渋の選択と言ってよいでしょう。

 

⓷ 今回の東京オリンピックの開催の問題は、商業主義で膨れ上がったオリンピックの経営形態を見直して、どこの国ででも開催できるような、真の世界平和の象徴となるような簡素なオリンピックへの変換の契機となることが強く望まれます。

コロナウイルスの感染問題が、オリンピックの開催地東京での感染拡大が第4 波の段階に入り、菅政権による4度目の緊急事態宣言を発令せざるを得なくなったなかで、専門家分科会の先生方が提案する無観客方式による東京オリンピック・パラリンピックの開催が実施されることになりました。

この現状において、私どもは、現状のオリンピックのなかに入り込んでいる商業主義の弊害として、オリンピックの経営規模を不当に拡大している現実にも厳しい批判の目が向けられなければないと私どもは考えます。いろいろと難しい問題があるかと考えますが、今回の東京オリンピックの開催問題を機に、世界のどこの国ても開催できるような適正規模を見直して、世界平和の象徴としてのオリンピックが、何時までも続くことが強く求められることを願っています。

 

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久保田 宏(くぼた ひろし)
1928年生まれ、北海道出身。1950年、北海道大学工学部応用化学科卒業、工学博士、
東京工業大学資源化学研究所 教授、同研究所資源循環研究施設長を経て、1988年退官、
東京工業大学 名誉教授、専門は化学工学、化学環境工学。日本水環境学会 会長を経て名誉会員。JICA専門家などとして、海外技術協力事業に従事。中国同済大学、ハルビン工業大学 顧問教授他、日中科学技術交流により中国友誼奨賞授与。

著書に『解説反応操作設計』『反応工学概論』『選択のエネルギー』『幻想のバイオ燃料』
『幻想のバイオマスエネルギー』『原発に依存しないエネルギー政策を創る』(以上、日刊工業新聞社)、『重合反応工学演習』『廃棄物工学』(培風館)、『ルブランの末裔』(東海大出版会)、『脱化石燃料社会』(化学工業日報社)、『林業の創生と震災からの復興』(日本林業調査会)、『改訂・増補版 化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉—科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する、電子出版 Amazon Kindle版 2017年2月』、『シェール革命は幻想に終わり現代文明社会を支えてきた化石燃料は枯渇の時を迎えます-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、電子出版 Amazon Kindle版 2019年10月』、『温暖化物語が終焉しますいや終わらせなければなりません-化石燃料の枯渇後に、日本が、そして人類が、平和な世界に生き残る道を探ります-電子出版 Amazon Kindle版 2019年11月 』他。

E-mail:biokubota@nifty.com

 

平田 賢太郎(ひらた けんたろう)
1949年生まれ、群馬県出身。東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻修士課程修了。三菱油化株式会社入社、化学反応装置・蒸留塔はじめ単位操作の解析、省資源・省エネルギー解析、プロセス災害防止対応に従事し2011年、三菱化学株式会社退職。2003年 技術士(化学部門-化学装置及び設備)登録。現在、Process Integration Ltd. 日本事務所および平田技術士・労働安全コンサルタント事務所代表。公益社団法人日本技術士会 中部本部 本部長。著書に、『化学工学の進歩36”環境調和型エネルギーシステム3.3 石油化学産業におけるシナリオ”』(槇書店)、『改訂・増補版 化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉—科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する、電子出版 Amazon Kindle版 2017年2月』、『シェール革命は幻想に終わり現代文明社会を支えてきた化石燃料は枯渇の時を迎えます-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、電子出版 Amazon Kindle版 2019年10月』、『温暖化物語が終焉しますいや終わらせなければなりません-化石燃料の枯渇後に、日本が、そして人類が、平和な世界に生き残る道を探ります-電子出版 Amazon Kindle版 2019年11月 』他。

E-mail: kentaro.hirata@processint.com

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