地球は土壌細菌に支配されている。 3

腸内細菌はどこから来たか。

  直に土壌細菌や腸内細菌の研究をしている先生たちに話を聞いてみてわかったことは、土壌細菌のことも腸内細菌のことも殆どわかっていないということがわかった。腸内細菌の全体のうち10%はわかっている。土壌細菌は1%しかわかっていないという先生もいれば、いや10%だという先生もいる。分母がわからないから何%かもわからないのが現状だろう。分離培養の技術が進みわかってきた細菌が増えてきていることもわかるが、すべての細菌がわかって、それぞれがどういう仕事をしているかがわかり、全体が何をしているかが解き明かされるのだろうが、1%〜10%では全体が見えてこない。まして細菌は環境によって振る舞いを変えるということなので、全体が見えるのはまだまだ先の話だ。

私が疑問に思っていることの一つに、腸内細菌はどこから来たのかということだ、お母さんの子宮は無菌状態で、生まれてくる子は無菌で生まれてくる。当然、赤ちゃんに腸内細菌はいない。それがいつの間にか100兆もの腸内細菌が住み着くようになる。どこからか入り込んできているのが定説がない。ネットで調べても様々だ。産道を通るときにお母さんからもらうであるとか、生まれたときに口から入ってくるとか、なぜ諸説あるかといえば、分離培養でわかっている細菌が少ないから、はっきりここから来たと言えないのだ。

私は細菌を見ることもできないし、その振る舞いも見ることはできない。ただ、牛の痔が治ること、自分の痔が治ったこと、殆どの友達の痔が治ったこと、この補助飼料食べさせている養鶏場では、アンモニア臭がしないということや、どの牛も人も便が臭くなくなるというほぼ100%に近い再現性から、仮説を導き出すことができる。

腸にいなかった細菌が100兆住み着いているという事実は、どこからか入ってきたという紛れもない事実が存在する。腸につながっているのは口か肛門で、わざわざ閉じられている肛門からそこを分け入って逆流を押して入ってくるとは考えにくい。一方、口は温かくて湿り気があり、細菌がわきやすい環境だ、実際に1000種類の細菌のいることがわかっている(分離培養できたものが1000種類ということで実際に存在する種類の数ではない。分離培養技術が進めばもっと増える)。その細菌が湧きやすい環境の口から、どの動物も有機物を食べ腸に送り込むということは、動物の歴史10億年かけて培われてきた仕組みとは考えられないだろうか。口からそこで湧いた細菌を食べ物と一緒に送り込んでいると考えられないだろうか。胃酸で細菌は殺されてしまうといわれるが、100兆胃の向こう側に様々な細菌がいるという事実は、殺されるものもいれば、無事通過するものもいると言うことであろう。

そこから導き出される仮説は、腸内細菌とは口から簡単に入って来られる、そこら辺にいる細菌たちということになる。そこら辺にいる細菌たちとはなにか。
つづく

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