新しく成立した岸田文雄新内閣が、IPCCの主張にしたがって実行しようとしている科学の常識を無視した地球温暖化対策のためのカーボンニュートラルの実行を廃棄して頂ければ、化石燃料枯渇後の再生可能エネルギー利用の世界における人類の生き残りのための貧富の格差が解消される平和な世界が維持されることが期待されます。

東京工業大学名誉教授  久保田 宏
日本技術士会中部本部 本部長 平田 賢太郎

 岸田内閣が成立しました。8年余続いた安倍晋三元首相のアベノミクスのさらなる成長戦略の後を継いだ菅義偉内閣が、自民党の主力から三下り半を突き付けられて、その代わりの岸田文雄氏を首相とする内閣が成立しました。野党は、今回の政変によって何も変わらないと訴えています。しかし、私どもは、この岸田新内閣の新政策のなかにある日本の政治を新しくするエネルギー政策が含まれているなら、この政策の実行を岸田新内閣に促すことによって、この新内閣の下で日本の政治を変えることができるとの期待を持って、化石燃料枯渇後の地球上に人類が生き残る道を求めることを提言する私どもの意見を述べさせて頂きたいと考えます。

以下、今回の政変に際しての岸田新内閣新政策の実行計画の内容については、あくまでも新聞やTVによる報道から得られた私どもの希望的な判断ですが、この岸田新内閣の政治に対して、自民党のなかにも、私どもが批判してきた、長期安倍内閣の政治戦略を否定し、一国主義を排した、世界平和を追求する新たな政治変革を求めることのできる期待があることが垣間見られると考えます。

私どもが、希望をもって指摘したい岸田新内閣の新政策の一つは、新内閣のなかに、「新しい資本主義を担当する経済安全保障の強化」を実行するために、経済安保担当相を新設するとして、その人事案も報じられていることです。この岸田新内閣が考えている「新しい資本主義の実行」の内容をみると、成長と分配の好循環を求めるとした成果が得られなかった旧安倍晋三内閣による「アベノミクスのさらなる成長戦略」への批判があると見ることができます。すなわち、岸田新内閣は、はじめから成功が得られない政策目標と言わざるを得なかった「アベノミクスのさらなる成長戦略」を否定することによって、これに代わって、今回の「新しい資本主義の実行」が、いま、IPCCが主張している、無駄なお金を浪費する「カーボンニュートラルの実行」を廃止することだとの正しいい認識を持っていることを私どもに教えてくれています。

もちろん、岸田新内閣が、安倍元首相のアベノミクスのさらなる成長戦略の失敗を、いますぐ否定するのは、政治的に難しいでしょう。しかし、今後、アベノミクスのさらなる成長戦略の誤りを正す政策を勇気を持って実行して頂けば、世界の貧富の平和格差を解消して、世界平和の維持を求める日本政治を正しい方向に導いてくれることが期待できます。

具体的には、いま、IPCCが主張している現代文明社会を支えている化石燃料資源の枯渇後に備えて、その代替としての利用が期待されている再生可能エネルギーとしての太陽光発電や風力発電などの再エネ電力をいますぐ利用する政策を廃棄して頂くことです。このIPCCによる誤ったエネルギー政策の実行に対し、IPCCの国内委員のお一人である杉山大志氏は、「亡国の危機を招く」として、厳しく批判しておられます。この亡国の危機をもたらす誤ったエネルギー政策は、科学的に起こるとの保証のない地球温暖化を防止する経済的に無駄なエネルギーを消費するエネルギー消費政策、すなわちカーボンニュートラルの実行に終止符を打って頂くことが必要です。これが、日本国民としての私どもの岸田新政権の新しいエネルギー基本計画での亡国の危機を避けて頂くための儚い期待です。

もう一つ、岸田新首相が提案する新しい資本主義経済の具体策として、「経済安全保証の強化の提言」があります。「経済安全保証の強化」のためとして、軍事的な安全保障の強化のために世界の全ての国で、多大の資金が積み増されようとしています。これは、世界各国の貧富の格差を拡大し、世界平和維持を脅かすことになります。「経済安全保障の強化」を目的として、軍事費の増強競争を行うことは、世界平和の維持を脅かす結果を招くだけです。

日本が第2次大戦の敗戦の結果、国民の総意として創った平和憲法の理念を世界に普及するための努力をすることこそが、いまの日本の政治に求められています。

本稿の執筆中、この地球温暖化のCO2原因説のシミュレーションモデルを創られた気象学者の真鍋淑郎先生にノーベル物理学賞が授与されたことが報道されました。その喜びを率直に表している真鍋先生には申し訳ありませんが、科学技術者としての私どもの立場から見て、今回のノーベル物理学賞の選考にはいささか問題があると言わざるを得ません。それは、真鍋先生が開発された地球温暖化のシミュレーションモデルの仮説に対しては、いわゆる懐疑説なる反論があって、真鍋線先生の地球地球温暖化のCO2原因説が科学の真理として認められてはいないからです。私どもも、この真鍋先生の地球温暖化のCO2原因説には否定的な立場をとっています。とは言ってもIPCCの長老としての真鍋先生が、IPCCが主張する地球温暖化のCO2原因説のシミュレーションモデル解析のために必要な多額の研究費を獲得するための役割を果たされたことはないと考えます。したがって、気の毒にも、今回のノーベル賞受賞に際して、先生は、今回のノーベル賞受賞が、好奇心を基にした科学の研究が評価され野だと、控えめに喜びを表しておられると考えます。

このように、科学的に反論がある学説が、政治の力で、ノーベル賞の対象となり、世界政治を支配することで、国家安全保障の強化のためとして。終わることのない世界の限りの無い軍事力競争が煽られることは、科学技術者として私どもには、その社会的な影響力から考えて、恐ろしいことだと考えざるを得ません。

10月6日の朝日新聞の岸田内閣の成立時の内閣支持率は、45%で、退任した菅内閣の成立時の支持率65%に較べてかなり低くなっています。すなわち岸田新内閣は、国民から余り期待され

ないことになります。岸田新内閣が、国民の信頼を得て、長続きするためには、安倍・菅政権に代わって、いままでのアベノミクスのさらなる成長戦略の実行の誤りを国民に対して率直に謝罪することが必要だと私どもは考えています。。

すなわち、菅元官房長官を含む旧安倍内閣の森友問題での財務省文書の不正な改ざん問題についても、岸田新内閣が旧安倍・菅政府に代わって国民に対する謝罪説明を行って頂くとともに、もう一つ、菅元首相により、不当に、恣意的にその就任を拒否された学術会議の新会員の速やかな無条件就任の実施をお願いしたいと考えます。

 

<引用文献>

  1. 久保田 宏、平田賢太郎;「改訂・増補版」化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、アマゾン電子出版、Kindle 版、2017年

 

ABOUT  THE  AUTHOR

久保田 宏(くぼた ひろし)
1928年生まれ、北海道出身。1950年、北海道大学工学部応用化学科卒業、工学博士、
東京工業大学資源化学研究所 教授、同研究所資源循環研究施設長を経て、1988年退官、
東京工業大学 名誉教授、専門は化学工学、化学環境工学。日本水環境学会 会長を経て名誉会員。JICA専門家などとして、海外技術協力事業に従事。中国同済大学、ハルビン工業大学 顧問教授他、日中科学技術交流により中国友誼奨賞授与。

著書に『解説反応操作設計』『反応工学概論』『選択のエネルギー』『幻想のバイオ燃料』
『幻想のバイオマスエネルギー』『原発に依存しないエネルギー政策を創る』(以上、日刊工業新聞社)、『重合反応工学演習』『廃棄物工学』(培風館)、『ルブランの末裔』(東海大出版会)、『脱化石燃料社会』(化学工業日報社)、『林業の創生と震災からの復興』(日本林業調査会)、『改訂・増補版 化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉—科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する、電子出版 Amazon Kindle版 2017年2月』、『シェール革命は幻想に終わり現代文明社会を支えてきた化石燃料は枯渇の時を迎えます-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、電子出版 Amazon Kindle版 2019年10月』、『温暖化物語が終焉しますいや終わらせなければなりません-化石燃料の枯渇後に、日本が、そして人類が、平和な世界に生き残る道を探ります-電子出版 Amazon Kindle版 2019年11月 』他。

E-mail:biokubota@nifty.com

 

平田 賢太郎(ひらた けんたろう)
1949年生まれ、群馬県出身。東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻修士課程修了。三菱油化株式会社入社、化学反応装置・蒸留塔はじめ単位操作の解析、省資源・省エネルギー解析、プロセス災害防止対応に従事し2011年、三菱化学株式会社退職。2003年 技術士(化学部門-化学装置及び設備)登録。現在、Process Integration Ltd. 日本事務所および平田技術士・労働安全コンサルタント事務所代表。公益社団法人日本技術士会 中部本部 本部長。著書に、『化学工学の進歩36”環境調和型エネルギーシステム3.3 石油化学産業におけるシナリオ”』(槇書店)、『改訂・増補版 化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉—科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する、電子出版 Amazon Kindle版 2017年2月』、『シェール革命は幻想に終わり現代文明社会を支えてきた化石燃料は枯渇の時を迎えます-科学技術の視点から、日本経済の生き残りのための正しいエネルギー政策を提言する―、電子出版 Amazon Kindle版 2019年10月』、『温暖化物語が終焉しますいや終わらせなければなりません-化石燃料の枯渇後に、日本が、そして人類が、平和な世界に生き残る道を探ります-電子出版 Amazon Kindle版 2019年11月 』他。

E-mail: kentaro.hirata@processint.com

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