地球は土壌細菌に支配されている。2

プロローグ
肥料と飼料の不思議な関係

2000年3月に肥料メーカーからデモンストレーションの撮影の依頼が来た。当社はインターネット上の動画やDVDなどを制作しているからだ。撮影内容は鶏糞の肥料化で、24時間発酵機に鶏糞を入れ攪拌することで、肥料化できるという。伊自良村(現在山県市)には鶏卵農家が多く、鶏舎が山間にたくさんあり、村中が臭いこと、風向きによっては、岐阜市をこの悪臭が襲うことなどから、臭いを抑える技術のデモンストレーションをいくつかの企業が行っなっているのだ。

200ppmのアンモニア臭の鶏糞を発酵機に投入し、水分調整のための乾燥おからと菌体を入れ、発酵機で温度をかけ攪拌が始まった。5〜6時間ほどすると発酵機の煙突からはアンモニアの臭いがかなり抑えられている。他社の発酵機も見に行ったが、もっといやな臭いになっている(後でわかったことだが、他社は乳酸菌などで嫌気発酵させているため、悪臭がさらに悪臭になっているのだ)。

次の日、発酵機から鶏糞を取り出すと、さらさらでアンモニア臭はなく(10ppm)、煮物のような臭いになっている。開発者はアミノ酸の臭いだという。ph8.1、アルカリの鶏糞が24時間でph5.9、1%あった塩分(餌に0.8%の塩分があるため鶏糞には1%の塩分が出る)は、0.1%以下に抑えられていた。窒素、リン酸、カリウムは4:3:3で立派な有機肥料だ。

発酵機に今度は、魚のあら、野菜くず、新聞紙、枯れ葉、塩を含んだ生ゴミ等をすべて入れ発酵させた。次の日発酵機から出してみると、さらさらの粉が出てきた。これらの肥料を使って白菜や大根を育てているの畑があるので、見に行くことになった。実験のためこの肥料を使用している畝と使用していない畝があり、白菜は明らかに化学肥料の畝とは大きさが違い、粒がそろっている。化学肥料の方は、化学肥料の濃いところは大きく少ないところは小さい。さらに根っこが違う。化学肥料の白菜の根っこは、山羊のひげのように情けなく茶色い。一方有機肥料の方は、白くぶっとい根っこが大きく広がりその間に無数の毛根が土をつかみ、白菜が抜けない。化学肥料の方は頭を人差し指で押すだけで抜けてしまう。白菜の味は、甘みと白菜の青臭い味が強烈で、生で食べてもおいしい。

鶏糞や残渣が24時間で肥料化して、こんなおいしい安全な野菜ができるなら、ありがたいことずくめだと、そして自分が食べる野菜は、すべてこの肥料で作りたいと本気で思った。

次に開発者と共に牛舎へ向かった。家畜の糞を発酵させたものは肥料だが、今度は、オカラを発酵させたものを補助飼料として牛に食べさせるという。牧場の牛は痔が多いというのだ。確かにインターネットで調べるとそういう事実が出てくる。またペットの痔も増えているという。なぜ四つ足動物が痔になるのか聞いてみると、牛は抗生物質漬けで、その抗生物質により腸内細菌を殺されてしまい腸内で偏った発酵、腐敗発酵になるという。肛門から毎日、腐敗したものが排出されるのだ。だから牧場は臭いのだという。腐った排泄物をしている場合、何かの原因で肛門の近くに傷ができた場合通常であれば、自然治癒力で難なく治るのだが、そこに毎日腐敗したものが通れば、治らずに膿んだり腫れたりするというのだ。それにこのおからを発酵させたものを補助飼料として餌に混ぜて食べさせれば治るというのだ。ペットの痔が増えている理由は、ペットの餌に含まれる添加物によるもので、ペットの餌は相当ひどいらしい。

晴天の霹靂、棚からぼた餅、寝れて粟、溺れる者は藁をもつかむ、実は、私も痔だ。中学2年の頃から30年もやっている。その間に様々な薬を試した、しかし症状は治まるが治ったことがない。この頃は末期的で毎日大量に出血していた。私の便は臭い。腐っているのだ。痔瘻が悪化し血管まで穴が開いていたのだろう。すぐさまおからを発酵させたものをもらい飲んでみた。3日で出血は止まり、排便のたびに軽くなっていく、便は臭いが無く、黄色く、水に浮く、インターネットで調べるとよい便となっている。1ヶ月後、肛門の奥にあったグリグリ(患部)が消えている。不治の病といわれる痔が完治した。友人に試したところ毎日お酒を飲む人以外は全員治ってしまった。

その菌体で残渣を発酵させると良い野菜を作る肥料になり、おからを発酵させたものを食べると痔が治る?関係性が全くわからない。そこで私は、腸内微生物学会、微生物生体学会、腸内フローラ学会、土壌微生物学会などに参加し、微生物の先生に懇親会で話を聞いてみた。
つづく

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