Binu Mathew氏の『エジプトに例示されたピークオイル革命』

 本稿は、Binu Mathew著”Egypt A Peak Oil Revolution”( Countercurrents.org 2013年7月5日付け記事)の邦訳である。エジプトは、自国内の石油生産量が1996年にピークを過ぎて以来、石油を輸出して食糧を輸入する国家の切り盛りが暗転して今日の混乱を招いたわけだが、本稿には石油減耗時代に国々が辿る崩壊の先例という見方が提示されている。この記事(原文)のコメント欄にはJayを名乗る者から「もしも僕がこれを書いたなら、"This Is What Collapse Looks Like" というタイトルにしたね」と書き込まれてもいる。
 なお、本稿終盤に引用された詩はウィリアム・バトラー・イェイツの「再臨(The Second Coming)」の抜粋なのだが、高松雄一編『対訳 イェイツ詩集』 (岩波文庫)の訳を用いた。
 

 エジプトで起きていること、あるいはちょうど起きたばかりのことは、最初のピークオイル革命と言い得るものであり、世界中の多くの国々で何度も繰り返されることは確実だ。タハリールIもタハリールIIも根本原因はエジプトの経済事情であり、中流階級や労働者階級は塗炭の苦しみをなめているのだ。

 タハリールIIは広範囲におよぶ燃料不足とエネルギー価格の高騰が直接の原因だった。タハリールIIの特徴は民主主義の要求やムスリム同胞団に対する反感ではない、それらは革命を導きはしたが、特徴は人々の自暴自棄なのだ。どちらの革命においても、軍が占領して、人々は幸せになるように思われた。だが、隠れたメッセージは、市民の生活が行き詰まるや人々は支配者を放逐する、ということなのだ。新しい支配者がやってきて、その人もまた遅かれ早かれ追放されるわけだ。こういうことが人々の生活をよくするだろうか?否、である。ここに戦慄をおぼえさせるビデオ映像があるのだが、私たちに待ち受けている未来の扉を開いているものだ、おそらく私たちすべてにとって・・・

件の映像 
http://www.youtube.com/watch?v=SFX1heljE9k

 この度の出来事は政治的安定の終わりの始まりである。おそらく私たちは政治的狂気の時代に突入しているのだ、ちょうどこのビデオ映像の中に観たもののように。人が人に逆らう時代、信仰が分裂する時代、人種が衝突する時代、民族が互いに滅ぼし合う時代、言葉が武器になる時代

しだいに広がりゆく渦に乗って鷹は
旋回を繰り返す。鷹匠の声はもう届かない。
すべてが解体し、中心は自らを保つことができず、
まったくの無秩序が解き放たれて世界を襲う。
血に混濁した潮が解き放たれ、いたるところで
無垢の典礼が水に呑まれる。
最良の者たちがあらゆる信念を見失い、最悪の者らは
強烈な情熱に満ち満ちている。


Binu Mathew is the editor of www.countercurrents.org. He can be reached at editor@countercurrents.org

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