プランBの実践

石井吉徳もったいない学会会長は、もったいない学会の理念に基づくプランBを提言した(石井、2010)。

日本は明治維新以来、大いなる経済成長を遂げた。特に第二次世界大戦後十数年間は高度経済成長期と呼ばれ、成長率は10%前後という凄まじいものであった。

しかしその成長も
1990年代のバブル崩壊以降はほぼ止まってしまった。特に2008年以降は負の経済成長である。現在この傾向は日本だけでなく、欧米も同様である。

なぜ世界の経済が停滞しているのであろうか。それは国際エネルギー機関が発表しているとおり、安い石油の生産が
2006年にピークを向かえたためだと考える。石油メジャーはオイルサンドや深海底油田などの石油を開発し、不足した需要を補っている。しかしそれらは、開発に多大のエネルギーを必要とし、メキシコ湾の石油流出事故やカナダにおけるオイルサンド開発による地下水汚染などの環境破壊が伴い、またなんといっても価格は高い。そのため、高く、危険な石油を使わざるを得なくなり、経済は悪化に向かっているのである。

日本、欧米は新エネルギーの開発の政策を打ち出し、経済の停滞を打破しようとしている。日本の政府は、再生エネルギーの開発に努力しているものの、どちらかといえば太陽光エネルギー開発のように技術力によってこの経済停滞を打破しようともくろんでいる。これは従来の社会構造をなんとか維持しようとするプラン
Aである。日本の大企業も政府が打ち出すプランAに追従する。

しかしプラン
Aに拘っていると、安い石油の減少、さらに近い将来の高い石油の減少によって、経済は急激に下降すると我々は予想している。

明治維新の理念は、富国強兵によって西欧の列強に比肩する国家を築き上げることであった。この理念は日本全体に受け継がれ、一丸となって経済成長に突き進んだ。

石井会長が提言するプラン
Bは、従来型の社会を維持するものではなく、新しい社会を築くプランである。このプランはオピニオンリーダーに引き継がれ、さらに追従者によって引き継がれ、最終的に社会を動かすステークホルダーへと引き継がれる。

今必要なのは、プラン
Bを引き継ぐオピニオンリーダーである。それはだれなのか、政府なのか、自治体なのか、大企業なのか、中小企業なのか。今までは、政府、大企業がプランを進め、それを自治体、中小企業が追従するというトップダウンで進行して来た。しかしプランBについては、自治体、中小企業が中心となるボトムアップでないと動かないであろう。

もったいない学会の活動として、これからは、中小企業、自治体に、プラン
Bの実践を働きかける活動を精力的に行う計画である。

参考文献
石井吉徳(2010)石油文明が終わる日本はどう備える、もったいない学会編「石油文明が終わる日本はどう備える」、p.5-12.



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