石油文明終焉の到来、その根拠と岐路での選択

石油価格急落にみる文明の終焉
2005年に石油ピークが始まってから、大量の開発投資にもかかわらず在来型石油の供給効果はほとんどない。ただ、石油価格の高騰に支えられて、エネルギー利益率(EPR)の悪いシェールオイル開発で供給量を増加させた。しかし、2012年頃より世界経済が低迷、「シェール革命」の米国も低迷して石油需要が減少し、110ドル/バーレル水準まで高騰した石油価格が2014年9月から低落しはじめ、年末には50ドル台/バーレルまで崩落した。
 
この事象は、良質な在来型石油が供給量限界にいたって価格弾力性が喪失したこと、「実物経済」が、EPRが低下しても高価格である石油を、受容できなくなったのである。石油文明の物質的側面を支える資本主義の実物経済の成長が止まった。「経済から石油の乖離」である。すなわち石油文明終焉の始まりである。当面、わずかな供給、需要の変動に対して価格が乱高下し、経済の不安定動揺は増幅されていくだろう。

 

石油減耗のスピード
石油ピークのステージの次に来る、世界的な石油デクラインのステージになると、最良のエネルギーである石油供給量の減少にEPRの低下が畳み込まれて、現代の資本主義経済の質と規模の劣化を強制してくる。
巨大油田の生産減耗率は平均6%であり、小規模油田ほど減耗率は大きい。現実に、ヨーロッパの石油生産減耗率は約6%で推移している。統計によると、石油需要量の約2倍に増幅されてGDPは増減している。従って、石油文明の終焉は、釣瓶落としのように「落日」すると予想される。さて、どう対応すべきか。
 
 
文明の破局か、回避か
市場自由主義は、石油文明の延命を金融経済、すなわちマネー経済のバブルで図ろうとしている。実際、21世紀になって実物経済からマネー経済への偏向が進み、2013年にはマネー経済の規模が実物経済の倍、140兆ドルに膨れ上がっている。今後もマネー膨張経済が続くようであれば、それが実物経済に、より大きな混乱と、所得格差の拡大を持ち込むのみで、文明の終焉を破局に導こう。
いや、すでに破局への道を走っている。OECDすら格差拡大を危惧している。実際には貧富格差が加速しており、それが人種差別、宗教差別へと「憎悪と暴力」が広がっている。その根っ子の市場自由主義の経済システムに固執する限り、文明の救済策はない。
国民は、マクロな経済の崩壊、文明の崩壊から身を守るために、食糧とエネルギーの自給自足の原則に立ち返る以外に道はない。中央集中社会から、地域分散社会へ転換し、ポスト石油文明の社会構造を創る。早ければ早い方が良い。自分は助かると思わない方が良い。

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