著書「みんなではじめる低エネルギー社会のつくり方: 日本のエネルギー問題を解決する15のポイント」(大久保泰邦著、石井吉徳監修)の紹介


 

もくじ
序章 エネルギー問題の議論から隠される石油
第1章 石油こそエネルギー問題の本質
1 石油は最高のエネルギー
2 現代文明は石油によって成り立っている
3 石油の可採年数に意味はない
4 原油価格の高騰は世界の石油ピークに一致する
第2章 石油に代わるエネルギーはない
5 エネルギーとはなにか
6 自然エネルギーだけでは脱石油社会は実現しない
7 非在来型石油に過剰な期待はできない
8 原子力は切り札にはなり得ない
9 天然ガスを増産すればよいのか
第3章 低エネルギー社会に向けて
10 石油は輸入すればよいというのは楽観的過ぎる
11 すべてのガソリン自動車を電気自動車に置き換えることは不可能
12 食料生産の仕方を変える
13 地域に適した自然エネルギーを積極的に導入する
14 「石油がなくなる日」に向けた低エネルギー社会のつくり方
15 低エネルギー社会における市民の役割
解題 「社会イノベーション」としての「日本のプランB」

石井吉徳著

著書完成までの経緯

私は大学、研究所時代を通して、石井先生のご指導を受け、石油や地熱資源の探査方法に関する研究を行ってきました。好きな研究をやってきたのですが、2004年、石井先生からASPO(石油ピーク研究連盟)の会合がベルリンで行われることを聞き、それに石井先生とともに参加し、石油ピークが間近であることを知りました。その後石油ピークについて研究すると、その影響があまりにも大きいことが分かってきました。

それ以来、石油ピークとその後の社会につ
いて、石井先生とともにもったいない学会を立ち上げ、さまざまな分野の方々、先輩から若手まで幅広い世代の方々と意見交換を行って研究を続けてきました。

最近ではスイスに1年間赴任して、紛争の長い歴史があり、産業、政治、エネルギーなどあらゆる分野で分散型であるヨーロッパ社会も勉強しました。

この本は、私がこの10年間の研究の集大成であります。

石油ピーク

石油ピークとは、枯渇ではありません。生
産量がピークに達して減退することです。石油は地球が育んだ有限資源です。人間が生産量を増やしたくてもそうはいきません。石油ピークは自然の摂理なのです。このことの重要性が分かれば、エネルギー問題の本質が理解できるはずです。


低エネルギー社会

「低エネルギー社会」の考えは、もったいない学会においてワーキンググループを作り、議論に議論を重ねて出来上がったものです。

「低炭素社会」という考えがあります。「低エネルギー社会」とどう違うのかとよく聞かれます。「低炭素社会」は温暖化防止のため、化石燃料の
消費を減らそうというものです。その根底には原子力発電の推進があります。つまり「低炭素社会」においては、エネルギー量は変わらない、あるいは増えますが、「低エネルギー社会」は、エネルギー量が減る社会です。


低エネルギー社会をデザインする

「低エネルギー社会のつくり方」と題したのですが、その内容は十分でないことは承知しています。なぜなら低エネルギー社会をデザインするとい
う研究は、日本にはほとんどなく、一から始めなくてはならなかったからです。もったいない学会が唯一の場であると言っても過言ではありません。


ヒントがあります

この本では低エネルギー社会を築くヒント
を示しました。例えば、地熱エネルギーを地元の雇用に結び付ける方法や地元で利用可能なエネルギーとするためにはどう考えるべきか、林業を地元の産業にするためにはどう考えれば良いか、とかです。

これらのヒントを理解していただければ、毎日流れるニュースに対しても、その裏に隠されている別のことが見えてきます。その結果本当の世界の動きが分かってきます。


日本が置かれている状況

日本と欧米と比較した結果、日本は平和で危機管理意識が希薄なこと、中央集権制が強いことが分かりました。この本では、石油ピーク後の世界はあらゆる点で分散型を軸とした低エネルギー社会が合理的であると主張しました。低エネルギー社会の姿は、画一的ではなく、その地域ごとで異なります。そこで、答えはその地域で考えなくてはなりません。日本においてこのような生き方、考え方は明治維新以来して来なかったので、非常に難しいかもし
れません。

しかし、このまま気が付かないうちに石油ピークになると、日本は大変なことになります。そこで拙速かもしれませんが、多くの方との議論を通して私なりに理解した、今日本が置かれている状況をお伝えし、皆様に今後考えるヒントをお伝えしたく、この本を出版することにしました。


是非ご一読下さい。

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