メタンハイドレートは資源ではない その2)在来型ガス田と全く違う

メタンハイドレートとは
普通の天然ガス田と違い掘削しても自然に噴出しない。固体のメタンと水の水和物、メタンを中心に周囲を水分子が囲んだ形に、包接水和物低温かつ高圧の条件下で、水分子は立体の網状構造を作り、内部の隙間にメタン分子が入り込み氷状の結晶になっている。これは固体で、火をつけるとメタンが分離するので燃える。このために「燃える氷」と言われるこの水和物1 m31気圧の状態で解凍すると164 m3のメタンガスを得る。分子式は CH4•5.75H2O密度は0.91 g/cm3である。

 

話題のメタンハイドレート、日本列島の周辺海底下、堆積地層内有機物の分解生じたと推定されるメタンが固体の水和物として広く分散して存在する。この水和物は低温、高圧で安定する。

 
シベリア、カナダなどは低温なので地表近くに存在する。一方日本では水深新1km程度の深さの海底下、地層内に分布している。四国沖、御前崎沖などで存在が確認されている。石油探査用の地震反射法で強い反射波の分布
BSRとして観測され、掘削コアで確認する。

日本のみならず世界の海域から広くその存在が昔から知られているが、それを在来型の天然ガスと同じとは考えてこなかった。その量は膨大であることもわかっていた。これが資源として価値があるかどうかだが、前にも述べたように濃縮されていない。それでは資源として価値がないが、科学的にEPRで判断すべきとのべた。

その性状をもう少し、メタンハイドレートを堆積層も地中深くなるにつれて地温が高くなるためガス化する。そのため海底斜面内水深500-1000 m程度でその下数十から数百mしか存在できない。そこで固体状メタンハイドレートより、その下の遊離メタンを通常のガス田のように採取できないかが、話題になったことがある。だがその後の掘削事例から可能性がないとわかった。

日本での取り組みの経過
1990年ころ、元通産省傘下の日本エネルギー総合工学研究所が、様々な非在来型の天然ガスの可能性を、業界、学会からの識者を集めた委員会で調査研究したことがある。私はその委員長を務めた。

その検討の結果取り上げてのがメタンハイドレートだった。資源かどうか判然としないメタンハイドレートを論点整理した。経済大国となった日本、もう欧米追従だけでなく、国費を費やして資源価値があるか整理することとした。そして報告した、研究調査すべきと。

それから20年を経て、何となく資源と決め付けたのか、毎年かなりの額の国費が投じられる公共事業と化したようである。資源かどうかの見極めの総投資額を100億円程度とおもっていた。その後の経過は詳しくは知らないが、毎年の規模となったようである.

いわゆるメタンハイドレートは、濃集されていない
資源は質が全て、量ではない。濃縮されないものを集めるにはエネルギーが要る。ところが日本ではその意味を理解しない。例えば、1996年の時点でわかっているだけでも、天然ガス換算で7.35m3日本で消費される天然ガスの約96年分以上というのである。これは原始埋蔵量であって、経済的に可採な資源量と違うのである。大事なのは「エネルギーコスト」である。良く話題とされるマネーコストは殆ど無意味である。

海底面下に薄く分布するメタンハイドレートは固体である。通常のガス田のように掘削しても噴出するわけでない。先ず地層中に安定分布する固体からメタンガスを遊離しなければならない。当然、ガス化はエネルギーが要る。EPR、エネルギー収支比は低い。一言すれば問題にならない。

以上、その2)の終わり。

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