資本主義の発展プロセス

 メーカーに来て良く分かったのは、資本主義というのは集中と拡散という正反対のプロセスが交互に発生しながら発展するという事実である。

 
経済の専門ではないが、資本主義における技術発展のメカニズムは、経済学の中心課題の一つだと思う。資本主義では、技術発展はハイテク市場で勝ち組が一人勝ちするプロセス(シリコンバレー型)と、成熟市場で途上国に技術が拡散するプロセス(中国型)が存在する。
 
これらは、技術の集中と拡散という正反対のプロセスであるが、その背景には、成長点を求めて世界規模で資金が動いているという事実がある。ハイテク市場では資金は特定地域や企業に集中し、成熟市場では拡散する訳である。
 
例えば情報技術では、YouTube や、Facebook、iPad などにみられるように、米国が標準となっており、日本はあまり成功していない。日本で現在、成功している会社は、技術を中国に持っていって、安い人件費で生産し、中国市場の成長に乗るとともに、日本に逆輸入して稼いでいる会社である。ビジネスというのは、安い所で買って(作って)高い所で売るのが鉄則である。
 
先日、100円ショップに行って、その品揃えと、品質向上に驚いた。1世代前の蛍光灯タイプの省エネ電球なども100円で売っている。ユニクロなどの繊維製品から、工業製品にもユニクロ現象が波及しつつある。
http://j.people.com.cn/94476/7275694.html
http://www.daiso-sangyo.co.jp/
 
ただ、このプロセスは日本の雇用を直撃するため、日本もシリコンバレー型のプロセスを実現しなければならないが、雇用システムとか、金融システムとか、様々な規制により、実現が難しいのだと思う。少なくとも同一条件で競争できなければ、海外から資金を呼び込む事は出来ない。
 
結果、日本は一部の勝ち組と、大多数の負け組みとに鮮明に分離し、雇用情勢は超氷河期と言われるように、悲惨な状況に陥っているのである。
 
さらに中央銀行の金融政策が日本の足を引っ張っている。中国でもインフレターゲットが設定されているが、少なくとも働く意欲のある人間が全て働ける社会にすべきである。これからやらなければいけない仕事はいくらでもあるのだから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%88

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