石油ピーク後、どれがまともな社会像か(2)

低炭素社会論

「低炭素」といっても、到来している石油ピーク、近い将来の化石燃料ピークの本質を語らず、「地球温暖化人為論=CO2排出削減論」に基づいて、石油文明のかたちを、太陽光発電と原子力発電の推進で継続させようとする社会論だといえる。太陽光エネルギー、原子力発電のそれぞれ片方だけでは文明維持できないことを暗に認め、両者の組み合わせによって、文明の支配的エネルギーとする論に見える。

低炭素の推進の一方で、化石燃料依存の原子力発電を推進することは、矛盾した文明エネルギー論である。2020年~2030年では、化石燃料全体の生産減耗が進むであろう。従って「低炭素」の徹底により化石燃料が使えなくなり、従ってウラン鉱の生産・運搬、原子力発電の建設・操業が、縮減から停止に至らざるを得なくなるのではないか。

自然エネルギーに分類される太陽光エネルギーは、そのエネルギー密度からして、
原子力電力電気量を一部補足できるに過ぎない。

従って、低炭素社会論を推し進めていけば、化石燃料の使用縮減に止まらず、論理的に原子力発電の縮減を求められることになり、現代社会のエネルギー使用量よりもはるかに少ない低エネルギー社会に帰結する。そうであれば、初めから石油ピークと化石燃料ピークを認め、早いうちから社会構造の転換を図る方が、文明崩壊の計り知れない犠牲から国民のいのちと生活を守ることができよう。
循環型社会論

循環型社会の考えは、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の経済社会を続けていけば、有限な資源・エネルギーの使用制約および環境負荷の深刻化が進み、現代社会の継続に影響するとの認識から、そのような浪費の経済社会から脱却し、
生産から流通、消費、廃棄に至るまで物質の効率的な利用(リデュース、リユース)やリサイクルを進める循環型社会(3R社会)」へ転換しようとするものである。

3Rは、リデュース、リユース、リサイクルの順番に重要であるが、実際には、経済成長に貢献しうるリサイクルが新産業(静脈産業)として重視されている。リサイクルは金属等の資源の浪費を、或る期間、抑制することになっても、工程が多段階のため、多くの場合、石油等の化石燃料は節減されない。リサイクルは化石燃料の使用制約とコスト高騰、資源の散逸から、循環回数は限られる。

2020
年~2030年では、減耗する化石燃料のリデュースの徹底によってリサイクルも困難になろう。低エネルギー使用環境の下で、リデュース、リユースを重視することになろう。そうであれば、初めから石油ピークと化石燃料ピークを認め、早いうちからリデュース、リユースを徹底し、リサイクルでは石油使用負荷の小さいモノを重視することが、文明転換の軟着陸にとって重要である。

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