「人類生存の科学」-日本列島で生きる 

石井 吉徳 2016年10月30日更新(2016年8月15日初版)

迷走する経済成長至上主義、マネーが全ての現代日本
「今だけ金だけ自分だけ」、技術万能の強欲資本主義が社会を劣化させる、強欲資本主義は、マイナス金利の禁じ手を使っても、その根底は沈降するのみ、日本指導層は理念喪失か、マネーを巡って迷走する。
何が大事か、それは3つのキーワード、

「食糧、エネルギー、そして軍事」、それらを以下に論ずる。

先ず人類には「3つの成長カーブ」しかないことを理解したい。ピークオイル論の元祖、天才的な地球物理学者ハバート、 M.K. Hubbert (1903~1989) が1976 WWF Conferenceに発表した図、
「Exponential Growth as a Transient Phenomenon in Human History」
の説明から始める。
●非再生的な資源、石油、石炭、鉄鋼など、●再生的なのは森林、自然エネルギー、水、●無限成長が可能なのは資本・利子、つまりマネー・資本主義の世界だけ、その基盤は科学技術の無限成長にある。だがそれは本当に可能なのか。

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人類は自然の恵みで生きている、その自然とは地域、地方、国によって違う。
改めて日本人はどのような地勢、自然生態系に依存するかである。 私は「自然は有限、資源は質が全て」と当然のように思っている。だが日本の指導層はそうではないようだ。かくして日本は迷走する。
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「 本当のエネルギー問題とは!」
日本工学アカデミー・「次世代へのメッセージ・フォーラム」、石井吉徳インタビュー動画、2012年8月14日、東京大学工学部4号館、資源開発工学科会議室にて収録、
https://youtu.be/uRE8xKR0vto

「土の文明史」D.R.モントゴメリーの名著、究極的には人は土、土壌の衰退で滅びてきた。「ローマ帝国、マヤ文明、そして現代、米国、中国を衰退させる土の話」という副題は不気味、必読では。特にマネーが全ての日本のものつくり、GDP至上、技術信仰の国では。
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重要なことがある、日本は地殻変動列島である、屡々災害に見舞われる、フ クシマは未だに収束しない、原発過酷事故は「人災であった」、日本の科学技術には重大な欠陥があった、技術過信の傲慢な「安全神話」、そして今は「安心神 話」、科学が機能しないのである。「市民の科学」がないと言うべきか、リスク感覚を欠く指導層に任せておけない、自分で考え自衛することである。
世界でも危険な変動列島に住むのである、人任せにしてはならない。

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宇宙からも日本列島の基本的構造が見て取れる。

何をしようとしているのか日本の指導層は、課題を順不同で列記する。
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・54基の原子力発電所を作り続けた。安全神話を国民に押しつけながら。
そして2011年3月11日、福島原発の世界史に例を見ない事故が。

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・原発再稼働に懸命な国家権力、又どこかで過酷事故が起こったら、日本は壊滅する。
・フクシマ事故後、日本は電力供給は大丈夫だった。
・リニア新幹線をフォッサマグナ、日本最大の断裂系地下をトンネル掘鑿、超伝導リニアを走らせようとする。これは危険、しかも不要だ。

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未来への問題は3つに分類される。「食料、エネルギー、軍事」である。最後の軍事とは、戦争、そこで使われる大量の武器、軍事費、そして生命、自然破壊である。

「食料、エネルギー、そして軍事」
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1)食料
日本の自然で食糧を可能な限り自給する、地産地消である。
アメリカなどからGMO、遺伝子組み換え食品を輸入しない。

●“人間の後には沙漠あり”:立体農業の薦め
『Tree Crops: A Permanent  Agriculture』という本がある。アメリカ合衆国の農学者ジョン・ラッセル・スミス(John Russell Smith)が1929年に書い たものだ。この中で彼は、山間部や丘陵地帯などの傾斜地での鋤耕(じょこう)農業を鋭く批判する。森林を伐採し農地を拓く。鋤で耕し、穀物を作る。しかし こうして裸にされ、耕された土は徐々に雨に流され、風で吹き飛ばされる。“土壌流失”と呼ばれる現象である。その結果やがてそこは表土を失い不毛の地と化 す。中国で、シリアやギリシャで、そしてグアテマラで、人類の農耕による土壌破壊は世界中で引き起こされてきた、と著者は述べる。
http://oilpeak.exblog.jp/18788544/
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先ず、遺伝子組み換え・GMOの脅威を理解すること。

モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシで飼育されたマウス、下記はネットで有名、日本では殆ど報道されないが、
http://www.afpbb.com/articles/-/2902178
フランスのNGO「遺伝子操作に関する独立情報研究機関」(CRIIGEN)が公表した、米アグリビジネス大手モンサント(Monsanto)製の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを餌として与えられ、がんを発生したマウス(撮影日不明)。(c)AFP/CRIIGEN

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐 氏2013/07/02 公開講演会、
広がる遺伝子組み換え作物・身近に迫る環境と食物への影響

https://www.youtube.com/watch?v=M0aoIfBciZY

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「モンスター食品」が世界を食いつくす!ー遺伝子組み換えテクノロジーがもたらす悪夢、 
船橋俊介 2013年3月イースト・プレス
最終章が素晴らしい、「今こそ”洗脳支配”から目覚めるときだ」、スーパー雑草の出現-遂に大自然の裁きがはじまった。 ”神”とは、ひとことで言えば大自然の存在そのものである。それは、宇宙の法則によって営まれている。 近年になって”大自然の反撃”が目立ってきた。 なんと、モンサント社のベストセラー除草剤「ラウンドアップ」が効かない雑草が出現しているという。

モンサント社の除草剤、ラウンドアップ・GMOの毒性、その危険性とは
「Republished study: long-term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup tolerant genetically modified maize」Springer Open ScienceSéralini et al. Environmental Sciences Europe 2014,26:14
http://enveurope.springeropen.com/articles/10.1186/s12302-014-0014-5
日本は暢気ですが、GMOについて、真剣な議論がヨーロッパでは成されています。遺伝組み替えのトウモロコシ、除草剤ラウンドアップ、その耐性のラウンド アップレディの科学的な議論、倫理、健康被害についての本格的な研究論文が業界、規制当局、学界で議論されます。日本では殆ど報道されていない、「市民の 科学」こそが大事なのでは。

「遺伝子組み換え食品の真実」GMO・お薦–アンディ リーズ (著), 白井 和宏 訳 2013/2
子どもたちに「遺伝子組み換え食品」を食べさせてはならない 訳者・白井和宏氏からのメッセージ、アマゾンより引用
残念なことに、遺伝子組み換え食品に不安を抱く人々でさえ、この問題の深刻さを知らない。すでに日本には大量の遺伝子組み換え食品が輸入されており、子 どもたちは毎日、知らないうちに多量に食べている。ベトナム戦争の「枯れ葉剤」など、大量の化学物質や毒物を製造してきたモンサント社が今では米国政府だ けでなく、国際機関や各国政府の中にまで深く侵入し、世界の食料生産を支配している。
マスコミは、スポンサーである巨大企業が政治や経済の中枢を支配してしまうと、どれほど深刻な問題であっても報道しなくなる、原発事故と同様の状況が、遺伝子組み換え食品でも起きている。
「遺伝子組み換え食品を摂取した人々の基礎データ、リスクに関する資料、人間による摂食試験の調査などは、何も存在しない。結局、遺伝子組み換え食品と は、野放しの人体実験なのである。遺伝子組み換え食品によって、アレルギー、がん、自己免疫疾患などの一般的な疾病が生じても実態を知ることさえできない のである。(本文より)」ビビアン・ハワード博士(リバプール大学、乳幼児毒性病理学部長)

EUでは、遺伝子組み換え食品について消費者の反発が強く、規制と食品表示が徹底されている。一方米国では、表示の義務も規制もなく、消費者が遺伝子組 み換え食品を食べても全くわからない。日本は米国の意向に沿って作物の承認と輸入を進めてきたため、食品表示や規制が甘く、いまや世界有数の遺伝子組み換 え食品輸入大国になっている。今後TPP参加交渉が進めば、米国にさらなる規制緩和を迫られることが予想される。今こそ消費者一人一人が遺伝子組み換え食 品の実態を知り、行動を起こすことが求められている。
一九九六年に遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まって以来、驚くべきことに一度も人体への安全性試験は行なわれていない。本書では、発がん性リスクなど について多数の科学者の独自の研究結果が明かされる。安全が確認されていない技術がどのように世界中に広められてきたのか。米国の巨大企業を背景とした組 織的な策略の全貌を、非公表の資料も含めた膨大な文献を駆使して明らかにする。

最新のネット情報では、モンサントはバイエルに買収されたそうだが、まだ関係当局の承認が必要だともいう。バイエルはヨーロッパへのモンサントの製品を導入するのでなく、ブラジル、インド、アルゼンチン、中国などの巨大市場をバイエルの開発能利用して拡大するためとか。
http://hbol.jp/110674/5

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2)エネルギー
特集ワイド:原発の呪縛・日本よ!<この国はどこへ行こうとしているのか>
◇自然は有限、脱浪費を、
 地球物理学者・石井吉徳さん ・毎日新聞 2012年08月24日 東京夕刊
「資源は有限なのに、技術に過剰な自信を持っている日本人が特に、技術で何とかなると考える。原子力発電や核燃料サイクルは、その典型でしょう。技術至上主義は安全神話を生み出してきた、
 「人は自然の恵みで生かされている」
「3・11」を目の当たりにして、原発安全神話が「恐怖の仕組み」であったことを知った。「私たちは、技術では何ともならない領域、手をつけてはならな い領域に足を踏み入れていることをはっきりと思い知らされました」と吐露する。「経済成長を信奉する人は、技術によって資源は無限となり、原子力発電も可 能だと言う。それができないのだから、成長そのものを問い直す時なのです」
日本の経済成長のためには原子力発電が必要という主張がある。原発の呪縛より先に、私たちは成長という呪縛にとらわれていないか。
http://blog.goo.ne.jp/buidoinhat/e/56473e515a73dfe0641c2934e7bb21ce
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危険な日本の原発安全基準
安倍首相が「世界で最も厳しい」と豪語している、実は世界最低クラスだった!フィンランドの例と比較、有名なオンカロの傍、オロキルオト3号炉の現地調査、
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3302.html
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究極の視点、それは脱原発であり、核燃料サイクル政策の放棄
原発は何万年もの死の灰を人類に残す、自然界はそれを処理不能だ。核問題はここから考えるべき、特に日本は地殻変動列島、本来原発は作ってはいけなかった。これが地球物理学者としての理念であり信念である。
核燃料サイクルは当然やめる、もんじゅも六ヶ所村再処理施設なども全て廃止すべきと考える。 (下図、小出裕章さん)

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3)軍事、そして総合的な視点
欧州の天才的知性、ジャック・アタリからの「日本への警告」、10項目
1.中国からベトナムにかけての東アジア地域に、調和を重視した環境を作り出すこと。
2.日本国内に共同体意識を呼び起こすこと。
3.自由な独創性を育成すること。
4.巨大な港湾や金融市場を整備すること。
5.日本企業の収益性を大幅に改善すること。
6.労働市場の柔軟性を促すこと。
7.人口の高齢化を補うために移民を受け入れること。
8.市民に対して新しい知識を公平に授けること。
9.未来のテクノロジーを更に修得していくこと。
10.地政学的思考を念入りに構築し、必要となる同盟関係を構築すること。
「21世紀の歴史」、日本語版序文にかえて。「21世紀、はたして日本は生き残れるか?」 ジャック・アタリ
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そこで私の思いです、
ヨーロッパを中心に何千年の文明史から、日本列島に住む日本人が何を参考にするか、彼の国々と「21世紀の未来」、どう戦略的に強かに付き合うか。言いた いこと、日本にこのような深遠な史観があるか、無い。改めて「ゼロ」から考えるべき「日本の史観」を、マネーが全て、迷走する今の日本に未来はあるのか、 フクシマは5年で忘却の彼方へ、原発再稼働に懸命なリーダ、「聞く力」を欠くからでは。声高には言うが「ディベート」ができない日本。如何ですか?

愚者の質問 倉本聡・カムイミンタラ 2015冬
http://www.geocities.jp/tikyuu_1205/pdf_files/gusya.pdf
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石井 それで、ここが大事なんですが、私の主張のポイントは、たった一行で収まるんです。地球は「有限」、限りがある。資源はクオリティ、「質」が全て。これで全部なんです。
倉本 あー成程。
石井 こんな簡単なことが、みんな分からないんですね。東大で何十年話してもわかってもらえないんです。
倉本 あーあー。
石井 技術の進歩で何とでもなると思ってますから。ですから日本は、技術の進歩教!
倉本 シンポキョー?
林原 進歩を崇め奉る?
倉本 あ!進歩教ね!(笑)
石井 技術進歩教。!!
倉本 成程!(笑)


●4つの大河文明、アジアの縄文文明 安田喜憲:環境考古学
太古の花粉研究で西欧文明、アジアモンスーン地帯の気候の違いを研究した、安田さんの地勢的・大局観。
ヨーロッパは冬に降雨、それで小麦、大麦は育つ。羊、ヤギの肉食だ。 対して東アジア、日本などは梅雨、夏に雨が多い。弥生時代は米を育て、漁がタンパ ク源である。それ以前の縄文期、それは1万年もの長きに亘ったことが解ってきた。 太古のメソポタミア文明よりも長かった、人は何を食べたかである。木の 実、栗など山林の幸、そして魚だった。
文明史とは食べ物のことである、それが違った根本において。アジアモンスーンが縄文時代、文明を培養したのだった。最近、古代史観が、大きく変わったようである。
http://oilpeak.exblog.jp/23029836/

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「まとめ」、そして結論
「土の文明史」D.R.モントゴメリーの名著は究極的な「人類の未来」を論じている。
先に文明の三つのキーワードとは「食糧、エネルギー、そして軍事」と述べたが、最後は食糧である、あとの2つはそれに至る過程にすぎない。 軍事とは食えないから争うのであり、食糧を作るにもエネルギーが必要である。エネルギーがなければ戦も出来ない。 人は飢えると争う、人肉を食べるに至る のだ。それは第二次大戦でもあったこと、過去にはイースター島では、部族の争いで負けると食べられ、人肉の味すら悪口の種となったという。

「縮小ニッポンの衝撃」 NHK2016年9月25日報道、日本の人口減の意味すること
2016年、100年近い国勢調査の歴史上初めて減少に転じた日本の人口、94万7千人減、北海道が最大の12万人減とか。一極集中が進む東京でさえ、 オリンピックが開催される2020年には減少に転じる、と予測されている。 基本的な思想、理念の改革が必要、成長神話どころでない。
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160925

「日本病」 長期衰退のダイナミクス 金子勝、児玉達彦
[Every Nation for Itself] Winners and Losers in a G-Zero world Ian Bremmer
「エントロピーの法則」ー21世紀文明観の基礎ー[Entropy-A New World View] by Jeremy Rifkin,1980、地球物理学者・竹内均訳は必読である。 特に竹内先生の「まえがき」は素晴らしい、現代物理学が絶対的真理として認めるのはこの法則だけ、地球は物理的に有限である、人間はその限界を超えられない。エントロピーの真理を無視する文明は滅亡する。原子力はエントロピーを無視するところから始まった、エネルギー幻想である、世界的な地震火山列島において原発推進するのは、自然の大原理を理解しないからである。

以上「まとめる」、食が有限地球の最終課題、格好良く使われる「グローバリゼーション」の終着点は「土の文明史」の最終章、それは 「文明の寿命」-大地に問いかけてみよ、教えてくれるだろう-「ヨブ記」12・8聖書。
それでは不親切、そこで「終わりの言」、いまの世界中のマネー緩和政策によって、超格差社会が作られている。 富裕層トップ1%は下位99%の犠牲の上に、中間層は凋落し民主主義は崩壊、そして世界で蔓延する紛争、テロなど。 これは永続はしない、文明の歴史がそう教える。
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終わりのことば

「学ぶべきものは天然である」 自然と人間、内村鑑三 明治41年、聖書之研究

人の編(あ)みし法律ではない、其(その)作りし制度ではない、社会の習慣ではない、教会の教条(ドグマ)では ない、有りの儘(まま)の天然である、山である、河である、樹である、草である、虫である、魚である、禽(とり)である、獣(けもの)である、是(こ)れ 皆な直接に神より出(い)で来(きた)りしものである、天然は唯(ただ)天然ではない、神の意志である、其(その)意匠(いしょう、→工夫を凝らすこと) である、其中に最も深い真理は含まれてある、天然を知らずして何事をも知ることはできない、天然は智識(ちしき)の「いろは」である、道徳の原理である、 政治の基礎である、天然を学ぶは道楽ではない、義務である、天然教育の欠乏は教育上最大の欠乏である。


http://oilpeak.exblog.jp/25814844/

以上(2016年10月30日)

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